失意のどん底ブラジルがオランダに挑む3位決定戦 勝敗以上に両国の“熱戦”に期待
大会を盛り上げた2チームは最終戦で有終の美を飾れるか
オランダは、その攻撃を最終ラインと2枚の守備的MFでしのぐ。そして、長短のパスを正確に出せる攻撃的MFスナイデルを経由し、一瞬の加速で相手を抜き去ることが出来るアリエン・ロッベンにボールを託す、というシンプルなカウンターで得点を目指す。ドイツに7失点してしまったブラジル守備陣は不安定であり、ファン・ハールもそこを突いて来るだろう。
逆に、ブラジルはロッベンを止められなければ、サポーターから強烈なブーイングをくらうことになる。両サイドバックが前がかりになるため、守備的MFのルイス・グスタボのカバーリングが非常に重要だ。
この試合に関しては、どちらかの勝利が見たい、というような単純な楽しみや期待、ということではなく、大会を大いに盛り上げてくれた2チームを見届けたい、という気持ちが湧いてくる。
オランダは大会前からあまり期待をされていない状況の中、スペインに圧勝してみせた。現実的なカウンターで獰猛に得点を重ねた。あの試合が大会の流れを作ったと言っても良いだろう。
ブラジルは開催国というプレッシャーの中、しっかり4強まであがってきた。グループリーグも厳しい組み合わせであったし、決勝トーナメントもハードなプレッシングに苦しめられたチリ戦、ハメス・ロドリゲスを擁する強敵コロンビア戦など、楽な試合はほとんどなかった。それだけにネイマールの負傷欠場は不運としか言いようがない。チアゴ・シウバが累積2枚目となったイエローカードも、正当なプレイのように見えた。
最強ドイツ相手に飛車角落ちで戦わざるを得なかったのは、サッカーファンとしても残念だった。この大会を大いに盛り上げてくれた2チームとしての印象が、さらに深まるような熱戦を期待したい。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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