南米勢が意地を見せるか、“史上初”の欧州対決の決勝となるか。残りの1枠を懸けてオランダとアルゼンチンが激突!

ファンハール・マジックなるか

 この両チームには、それぞれ圧倒的な個の力を持つ頼れるエースが存在する。オランダのロッベン、アルゼンチンのメッシという突出したドリブラーの2人だ。彼らは、チームとして連動的な攻撃が機能不全を起こしていたとしても、独力で状況を打開できる。つまり、彼らを止められなければ失点を覚悟しなくてはならない。守備面でのポイントは、互いに「エースをどう抑えるか」になる。

 特に、オランダがメッシをどう抑えるかは要注目だ。ルイス・ファンハール監督が背番号「10」にどのような罠を仕掛けるのか。前述した通り、今大会で彼の采配は当たりまくっている。スペインと初戦は、マンマーク気味の守備がはまり5-1で大勝。決勝トーナメント1回戦のメキシコ戦では、1点ビハインドの状況で投入したクラース・ヤン・フンテラールの1ゴール1アシストで、終了間際に逆転勝利を収めた。

 さらに、準々決勝のコスタリカ戦ではPK戦のために投入したGKティム・クルルが、PKを2本止めて見事に勝利へと結び付けた。今回のアルゼンチン戦でもシステムの変更や選手交代、もしくは今まで披露してこなかった奇策を繰り出すかもしれない。彼の一挙手一投足に注目してほしい。

 対してアルゼンチンは、守備的MFのハビエル・マスケラーノの柔軟なカバーリングに期待というところか。守備に関しては個々の能力が高い反面、組織的に秀でているわけではないので、相対的にはやや守備が不安だ。メッシ以外にも、独力でシュートまで行けるアグエロや、細かいドリブルで相手をかわすエセキエル・ラベッシなど、アタッカーはオランダより豊富なだけに、攻撃を続けることで主導権を握り、ロッベンのプレー時間を減らしたい。

 今朝の準決勝でブラジルが敗退した今、アルゼンチンが南米勢の意地を見せるか。それとも、オランダが南米開催のワールドカップで史上初となる、決勝での欧州対決を実現させるか。激しい接戦になりそうなだけに、ぜひ早起きして生中継を見てほしい。目覚まし時計のセットをお忘れなく。

 

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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※ワールドカップ期間中、記事内で扱うシーンの一部はFIFAワールドカップ公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』のマルチアングル動画、選手毎のスタッツデータで確認できます。
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