日韓W杯の韓国戦は「史上最悪の判定」 スペイン紙が“世紀の誤審”に再脚光「疑惑以上」
度重なる不可解な判定で韓国に敗れたスペイン 「疑惑以上のジャッジパフォーマンス」
サッカー史上に残る“誤審”の一つとして認知されているのが、2002年日韓ワールドカップ(W杯)準々決勝のスペイン対韓国の一戦だ。スペイン紙は「2002年の日韓W杯でスペインが強盗の被害」と見出しを打ち、優勝候補だった当時のチームの悲劇に再びスポットライトを当てている。
日韓W杯はブラジルが優勝を収めたが、最もインパクトを残したのはアジア史上初のベスト4進出を成し遂げた韓国だった。一方で、その勝ち上がりの過程のなかでは審判団による不可解な判定が物議を醸した。その一つがベスト16のイタリア戦(2-1)で、優勝候補の一角だったアズーリは不利なジャッジに悩まされ、延長戦では明らかなゴールがオフサイド判定となり、エースFWフランチェスコ・トッティは2枚のイエローカードで退場処分に。バイロン・モレノ主審への買収疑惑も報じられるほどだった。
さらにもう1試合、“誤審騒動”の被害者となったのが、準々決勝で韓国と対戦したスペインだった。後半3分にFKから、MFルベン・バラハが合わせてネットを揺らすも、不可解なファウルの判定で取り消しに。さらに0-0で突入した延長前半2分にも、右サイドを突破したFWホアキン・サンチェスのクロスからFWフェルナンド・モリエンテスがヘディングシュートを放ちネットを揺らしたが、ホアキンのクロスがゴールラインを割っていたと判定され再びノーゴール。だがリプレーでは全くラインを割っていなかったことが発覚し、波紋を呼んだ。最終的にスペインは、0-0の末に迎えたPK戦で3-5と韓国に敗れている。
スペイン紙「ムンド・デポルティーボ」は「2002年の日韓W杯でスペインが強盗の被害」と見出しを打ち、日韓W杯でスペインが見舞われた悲劇に再び脚光を当て、「W杯史上最悪の判定」と表現している。
「エジプト人のガマル・ガンドゥール主審による疑惑以上のジャッジパフォーマンスがスペインを追い出した」と指摘。「数年後にガンドゥール氏を直撃したところ、『なぜスペイン人は怒っているんだ?』といまだに理解できずにいた。FIFA運営は判定ミスを認めるも、この試合の主審に高評価を与えていた」と説明している。
スペインは8年後の2010年南アフリカ大会で悲願のW杯初優勝を達成し、08年欧州選手権制覇から始まった黄金期を確かなものとしたが、スペイン人の中では日韓W杯の歴史的誤審は“負の記憶”として、いつまでも心に刻まれ続けるのかもしれない。