札幌で変化の兆しを見せる「ペトロヴィッチ流」 浦和を離れドイツで得た新たな刺激

「浦和を離れることになったのは残念だったが…」

 昨年7月末に浦和監督を解任された後、ペトロヴィッチ監督はドイツのバイエルン・ミュンヘン、ホッフェンハイムの練習をそれぞれ1週間程度、視察したという。そこで新たな刺激を十分に得たのだろう。

「2006年に日本に来てから10年以上、休むことなく仕事をしてきた。常に自チームのことを考え続けていた。浦和を離れることになったのは残念だったが、ゆっくりとフットボール全体のことを考える時間を久しぶりに得ることができた。もちろん、家族とゆっくり過ごす時間もね」

 今年1月中旬に札幌の監督に就任してからまだ3カ月程度。現時点で札幌における“ミシャサッカー”の本当のスタイルや、その完成度を論じるのはあまりにも早計だろう。ペトロヴィッチ監督自身が「長い期間での強化プランをクラブと共有している」と話している通り、まだまだじっくりと注視していくべきだ。

「この札幌の街は、私が生まれ育ったセルビアと同じようにたくさんの雪が降る。1月に私がここに来た時、『やっと日本でも本当の冬が過ごせる』と思ったんだ」と60歳の指揮官は笑う。東欧の指揮官とともに新たな一歩を踏み出している札幌。ペトロヴィッチ監督とともに描いていくストーリーは、まだ始まったばかりだ。

(斉藤宏則 / Hironori Saito)



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