ブラジルから見た「日本サッカーの姿」 海外組FWが聞いた“ジャポネス”の弱点とは
“サッカー王国”でプロ7年目のFW東城、現地で耳にする日本人選手への評価
ブラジルのサンタカタリーナ州1部、全国選手権4部のインテル・ジ・ラージスでプレーするFW東城利哉は、“サッカー王国”でプロ生活7年目を迎えている。ピッチ内外で過酷な環境に身を置く日本人FWの目には、地球の裏側で展開される「日本サッカー」は、どのように映っているのだろうか。またブラジルでの経験を通じて、今後、日本サッカーがさらに強くなるためには何が必要だと感じているのだろうか。海外でプレーする一人の日本人選手としての意見を聞き、自身が思い描く将来像についても語ってもらった。
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かつて、ブラジルのサッカー界では「ジャポネス」(ポルトガル語で日本人の意味)という言葉は、サッカーが下手な人を指す蔑称として使われていた。東城自身もブラジルに来て間もない頃は、「ジャポネス」がサッカー選手としての差別用語として使われていることを身を持って体験してきた。だが、日本がワールドカップ(W杯)に出場するようになり、海外でプレーする選手も増えてきた今、ブラジルサッカー界での「ジャポネス」が持つ意味は変わりつつあるという。
「最近、欧州でプレーする日本人が増えてきたことで、ブラジルでも日本人のプレーをテレビで目にする機会が多くなった。それによって日本人選手をリスペクトするブラジル人選手も増えてきました」
今のブラジルでは、約30年前にブラジルでプレーしていた三浦知良を知っているのは年配世代のサッカーファンだけ。東城がブラジルに来たばかりの頃は「ナカータ」と言われるくらいだったが、最近は「ホンダ」「オカザーキ」「カガーワ」と言われることも増えてきたという。