J1甲府・城福浩監督のブラジルW杯直前展望 スペインを優勝候補に推す確固たる理由
対抗はブラジル
そして、対抗馬には優勝候補の本命との呼び声高い開催国ブラジルを挙げているが、彼らにも見逃せない不安が存在するという。
「個人的な対抗馬はブラジルになる。ブラジルの先発の11人には穴がないけれど、途中から切るカードはどうなのか。ベンチにもやや不安が残る。地元開催で戦うだけに地の利は当然存在する。その反面、重圧が不安要素になるかもしれない。彼らには、前回大会の中軸を担ったベテランも少ない。主力の多くは新顔に切り替わっている。選手の経験値は、地元の絶大な期待がプレッシャーに変わると、ネガティブファクターになる可能性がある。ブラジルは強いといいながらも、一度負けた時に立て直せるのかどうか。そこが個人的に興味を引くところだ」
ブラジルは最終ラインにもワールドクラスが揃い、圧倒的な力でそのまま大会を乗り切る可能性は十分ある。しかし、それと同時に「サッカー王国」特有の重圧が存在するのだという。自国開催でかつ10番を背負うネイマールには、想像もつかないプレッシャーと対峙するはずだ。城福監督は「0-0の引き分けでも得点が生まれなければ、それだけで批判が集中するかもしれない。そうしたときに『大丈夫だ』とネイマールを鼓舞できるドゥンガのような経験豊富な選手がいれば話は別だが、そうした選手がいまのブラジルには欠けている。ただし、そうした葛藤を乗り越えたとき、彼は過去の偉大な選手と肩を並べる可能性だってある。後々、『彼の大会』と呼ばれることになるかもしれない」と語った。