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【サッカー分析講座⑧】ワールドカップ観戦を楽しむためのミニ知識 選手の「走行距離」って何?
ただ、それ以上にサッカー文化が根付いている欧州ではサッカーの本質を理解するために、より多くの「視点」が提供されている。そこで「Soccer Magazine ZONE web」でも、ワールドカップを前にその「視点」について紹介していきたい。
今回、取り上げるのは選手の「走行距離」に関するデータだ。「走行距離」はすでに日本でも聞き慣れた言葉ではあるが、よほど欧州サッカーの中継を見ていない限り、目にする機会が少ない。ただ、ワールドカップではその数値が報じられる機会も増えるため、そのデータの特徴を少しでも理解していれば、本線の楽しみ方も増えだろう。
データ的には少し古くなるが海外、ドイツブンデスリーガのTop6チームを基にしたデータをQ&A形式で紹介しながら、「走行距離」について掘り下げることにする。
【Q1】1試合でゴールキーパーはどのくらい走るのか。
ゴールキーパーの走行距離は平均で約6,000m。ゴール前で相手のシュートを防ぐことが仕事であるゴールキーパーだけに、思ったより走っているなと感じる人もいるかもしれない。攻守の切り替えが早く、コンパクトな陣形で上下動を繰り返す現代サッカーでは、ゴールキーパーであってもコンパクトな陣形に参加しなければならないのである。
高い位置を取る最終ラインの裏をしっかりカバーしコーチングすることもゴールキーパーの大事な仕事。そのためゴールラインとペナルティエリア先までの上下のランを試合中繰り返していると6,000mという距離になってしまうのである。
このデータを紹介してくれたドイツ人がこんな話をしてくれた。
「以前、レアル・マドリードのデータを取った時にゴールキーパーが6,000m以上走った時に一人だけゴールキーパーよりも走っていないフィールドプレーヤーがいたんだよ。ところがその選手はその試合でしっかり2得点取ってしまった。その選手の名前はロナウドだ」
かつて怪物と言われたスピードスター、ロナウドくらいになると走る量よりその瞬間を見て結果を出す「質」が素晴らしいというわけだ。