ロシアW杯後の会場はどうなる? 現地紙展望「コンクリートの怪獣にしないために…」

2部、3部リーグの試合で使うのは「もったいない」

 4月15日にオープンしたばかりなのが、ロシア南部最大の都市ロストフの「ロストフ・アリーナ」だ。ロシア1部のFCロストフの本拠地として、同日リーグ第26節のFC SKAハバロフスク戦が開催された。同会場ではグループEのブラジル対スイスをはじめ、決勝トーナメント1回戦(グループG1位対グループH2位)も行われる。

 今回W杯のために作られたアリーナがある半分の都市は、ロシア1部のプレミアリーグに所属していないという。建設が最も遅れているとされる「サマラ・アリーナ」は、2部リーグに所属するクリリャ・ソベトフ・サマラの本拠地となる予定。記事では、現在使用しているメタルルグ・アリーナで2000年代に3万5000人を集客したことを紹介し、「サマラは間違いなくサッカー都市。W杯後の心配はいらない。クリリャ・ソベトフ・サマラは2部リーグにいるが、プレミアリーグに戻れるはずだ。宇宙船に似ている新スタジアムは国内リーグ戦でも満席になる可能性が高い」と展望している。

 また、ポーランドとリトアニアに挟まれた飛地カリーニングラードのスタジアムも同様のようだ。2部リーグに所属するFCバルチカ・カリーニングラードの本拠地となる予定で、オープン後初の“テストマッチ”となった4月11日のリーグ第32節クリリヤ・ソベトフ・サマラ戦では1万5000人近い観客が集まった。

 一方、ニジニ・ノブゴロド・スタジアムは、4月15日に2部リーグFKオリンピエツ・ニジニ・ノブゴロド対ゼニト2の試合がこけら落としとなった。FKオリンピエツ・ニジニ・ノブゴロドはFCバルチカと同じく2部リーグだが、現在15位と残留争いを繰り広げており、3部に降格する危険性がある。また、ヴォルゴグラードのFCロトルも2部16位に沈み、サランスクのFCモルドビア・サランスクに至っては現在3部リーグだ。記事では、今後の課題について指摘している。

「W杯のスタジアムが2部や3部リーグの試合で使われるのはもったいない。FKオリンピエツ、FCロトル、FCモルドビアが大きく発展するためにはお金が必要だ。新しいアリーナは投資家を見つける大チャンスだが、クラブは自分たちのレベルも上げなければならないだろう」

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