なでしこJが失点後に“攻撃しなかった”理由 合致した日豪の利害関係「まずは出場権」
サッカーの国際大会では時に起こり得る状況
その結果、日本のキックオフで再開したゲームは、最終ラインで日本がパスを回し、オーストラリアもボールを奪いに行かず、そのまま終了した。先制ゴールを挙げていたMF阪口夢穂は「選手の中では前に行きたい選手もいたと思いますけど、ベンチに確認したらこのままで良いということなので、後ろで回すことになった」と話し、1アシストのMF長谷川唯も「気持ち良く決まったわけではないけど、勝負なので」と話した。
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こうした事例は、サッカー界では過去にもあった。2002年日韓W杯では、イタリア対メキシコのゲームが同様の状況になり、最後は互いに時間を浪費して試合を終わらせた。また、昨年のU-20W杯では、日本とイタリアの対戦でスコアが動かなければ良い状況になり、イタリアが持っているボールを日本が追わず、イタリアも攻め込まずに試合を終わらせた。J2リーグでも、2016年の最終節でコンサドーレ札幌とツエーゲン金沢の利害関係が噛み合い、最後の数分間で同様の状況になった。
しかし、前述したとおりに日本とオーストラリアが互いに自力で突破の条件を満たしたからこそ、生まれた選択肢でもある。そして、0-0の引き分けなら韓国の試合結果次第だった立場の日本だけに、先制ゴールにはそれだけ大きな価値があったと言える。
基本的にレアケースではあるが、サッカーの国際大会では時に起こり得る状況だった。そうしたなかで、冷静に出場権を確保する選択に出た日本は、グループ2位以内というミッションを達成。来年にフランスで開催される女子W杯に、8大会連続で臨むことが決まった。
(FOOTBALL ZONE編集部)
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