FC東京は20日、ホーム味の素スタジアムでヤマザキナビスコカップ1次リーグ第5節を戦い、ヴァンフォーレ甲府に2-1で勝利した。勝ち点を10に伸ばし、首位を維持。決勝トーナメント進出に王手をかけている。エースFW武藤嘉紀の2得点で勝ち星を手にしたこの試合で、輝きを放つワンプレーが存在した。 前半41分、ボックス内に走り込んだ武藤が左足の豪快なダイレクトボレーを突き刺し、先制点を奪った。このシーンでアシストとなるクロスを上げたのはDF森重真人だった。 「ああいう質のボールは蹴ったことがないが、速くて落ちるボールを意識した。狙い通りだった」 試合後、森重は得点シーンを振り返り、自身のクロスを自賛した。そして、このクロスには参考となった選手がいるという。森重は頬を緩ませて言った。 「(太田)宏介のクロスを近くで見てきたので、それをマネしてみた。良いクロスが上げられたし、これで少しは宏介に近づけたかな」 太田は今季リーグ戦でも6アシストを記録。その精度の高い左足は、いまやFC東京における最大の武器となっている。 両者は世代別代表のころから、多くの時間を共に過ごしてきた。それだけに、その切れ味鋭いクロスの精度を誰よりも知っている。森重は今後、守備だけでなく、攻撃でもチームをけん引していくだろう。頼れる主将が、リーグ戦2連敗と後れをとった首都クラブを再び上位戦線に引き上げ る。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images