FC東京は20日、ホームの味スタでヤマザキナビスコカップ1次リーグ第5節を戦い、甲府に2-1で勝利した。これで1次リーグ首位を死守。次節にも3年ぶりの決勝トーナメント進出が決まる。 リーグ戦2連敗で迎えた、この一戦。負の連鎖を断ち切ったのはやはり、青赤のエースを担うFW武藤嘉紀だった。 試合は前半41分、右サイドからのDF森重真人からの絶妙なアーリークロスが上がる。ボックス内に走り込んだ武藤が、左足のダイレクトボレーでネット右隅に突き刺して先制点を奪った 。 その後も、試合を優位に進めたが後半40分、カウンターから同点弾を許してしまう。 しかし、会場に漏れたため息を再び歓声に変えたのは、前半にもスタジアムを湧かせた、この男だった。 「あれだけ人数がいたので、自分はニアのこぼれ球しか狙っていなかった」 後半アディショナルタイム、左サイドで得たフリーキックからDF太田宏介がクロスを入れると、ゴール前の混戦からストライカーの元にボールが転がる。相手GKと接触しながらも強引に左足で押し込み、劇的決勝弾を決めた。 「東京には素晴らしいキッカーがいて、競り勝てるメンバーがいる。だから、自分が体を張って削られることは苦ではない」 決勝ゴールを生んだFKを獲得したのも、背番号「14」だった 。2得点を挙げて主役を演じたエースは、泥くさい役回りも大歓迎の様子だった。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images