ハリル解任は「選手とのコミュニケーションや信頼関係」の欠如 JFA会長が決断理由を明言
W杯開幕約2カ月前の異例の更迭劇 3月欧州遠征後に「最終的なきっかけになったのは事実」
日本サッカー協会(JFA)は9日、JFAハウスで記者会見を行い、日本代表を率いるバヒド・ハリルホジッチ監督を解任し、西野朗技術委員長の後任監督就任を発表した。ロシア・ワールドカップ(W杯)開幕まで約2カ月と迫ったなかでの異例の更迭劇について、記者会見に出席したJFAの田嶋幸三会長は「選手とのコミュニケーションや信頼関係が多少薄れてきたこと」を理由に挙げた。
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6大会連続のW杯出場を前にした日本代表に激震が走った。8日深夜に突如として電撃解任の一方が伝えられ、それを受ける形で9日午前に16時から記者会見を実施することを発表。会見に登壇したJFAの田嶋幸三会長は、7日にフランスのパリでハリルホジッチ監督と会い、同日付での契約解除を伝えたという。
田嶋会長はまず、ハリルホジッチ監督について「非常に真面目な性格で、サッカーに誰よりも熱い気持ちを持ち、それを選手にぶつけてくれた。『デュエル』という日本サッカーに最も必要な言葉を選手に植え付けてくれた」とW杯予選突破に導いたことについて感謝の言葉を述べた。その上で、W杯出場決定後の親善試合において、「1%でも2%でも、W杯で勝つ可能性を追い求めたい」と様々な意見を集約しながら議論を重ねたという。
その中で、解任への動きが決定的になったのは、今年3月のベルギー遠征だったようだ。W杯で対戦するセネガルとポーランドを想定し、マリ戦(1-1)とウクライナ戦(1-2)を行いながら、1分1敗で内容も伴わずに課題が噴出。選手も不安を口にするなど、本大会に向けて暗雲が漂っていた。田嶋会長も「コミュニケーションや信頼関係の部分が、その2試合の後に出たこと。それが最終的なきっかけになったのは事実」と認めた。そして「予選中からハリルホジッチ監督をサポートすることは変わらないとやってきたが、最後のところでそれが変わった。最後までハリルホジッチ監督のチームを固められるものにしたいと3月も努力したが、それを実現できなかった」と、無念な思いもにじませた。
W杯出場決定後の監督交代は、日本サッカー史上初の出来事。異例の時期での電撃解任劇は、指揮官と選手の間の溝が、予想以上に広がったことが要因になったようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)