浦和、今季リーグ初勝利の舞台裏 理論と情熱で再建図る“闘将”大槻暫定監督の手腕
リーグ第6節仙台戦で1-0勝利、「気持ち良くできそうなポジション」で選手を起用
J1浦和レッズは7日のリーグ第6節でベガルタ仙台に1-0で勝利し、今季のリーグ戦初勝利を手にした。クラブの育成ダイレクターから昇格の大槻毅暫定監督は、リーグ戦での初采配を勝利で飾ったが、冷静な理論と情熱の両面でチームを立て直そうとしている。
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大槻監督は、この仙台戦を3バックシステムで臨んだ。試合後に「このシステムを選んだ理由は、仙台の戦い方と僕らの戦力、今やれることを考えた結果の選択。選手の特性を考慮して、ポジションに付けた。気持ち良くできそうなポジションで起用した」と明かす。
その相手に合わせた部分は、仙台の渡邉晋監督が「我々のリーグ前節の長崎戦で、ミラーゲームに苦労していた部分があり、それを参考にしたところがあるのかもしれない」と話した要素もあるのだろう。元より大槻監督はクラブの分析担当を務めていた経歴の持ち主であり、基本的には冷静かつ理論派の監督だ。選手たちも「指示が明確で分かりやすい」と、ロジックのある言葉が修正の手助けになっている。
しかし、いざピッチに立ち試合開始のホイッスルが鳴れば、テクニカルエリアを左右に広く歩き回って、大きなジェスチャーを交えて指示を送る。抜けたプレーが見受けられれば、怒声を発する。第4審判から注意を受けることもあるが、その姿はまさに“闘将”といった雰囲気であり、情熱を表に出すことを厭わない。ユースチームを指揮している時期に取材した際の、温厚な雰囲気と言葉からは想像もつかないような変貌ぶりだ。
時間のないなかで就任し、さらに連戦の中でトレーニングをする時間も限られている。だからこそ、分かりやすく指示と狙いを伝え、試合では精神的な強さを要求するしかない。そうした意味において、二面性がある部分を上手に使い分けていると言えるのだろう。