なでしこJ、8大会連続W杯出場へ 女子アジアカップの“ノルマ”と“理想のシナリオ”は?
アジア“上位3カ国”がグループに同居する厳しい戦い
少し意外に思われるかもしれないが、1991年に行われた第1回大会(中国開催)以来、なでしこジャパンはこれまで一度もW杯予選での敗退がない。これはアジアでは唯一、他大陸にまで対象を広げても、他に6カ国(アメリカ、ドイツ、スウェーデン、ノルウェー、ブラジル、ナイジェリア)だけだ。
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もっとも、「負ければ予選敗退」という状況も、2回の大陸間プレーオフ経由をはじめ、何度か訪れている。初めて世界を制した2011年のW杯ドイツ大会も、アジア最後の切符が懸かる3位決定戦を制しての出場だった。敗退を喫したリオ五輪以来のアジア予選に、過度の楽観は禁物だ。
3月23日に発表された最新のFIFAランキングで、日本は11位。アジア勢ではオーストラリア(6位)、北朝鮮(10位、今回は予備予選敗退)に次ぐ、3番手に位置している。これに次ぐのが韓国(16位)。つまり、今大会の参加8カ国中、ランキング上位3カ国が同居する厳しい組み合わせなのだ。
オーストラリアにはリオ五輪予選(1-3)で敗れ、リベンジマッチとなった昨夏のネイションズトーナメントでも返り討ち(2-4)にあった。スピードとパワーを組み合わせてくる、日本が最も苦手とするタイプのチームだ。韓国にも昨年12月のE-1選手権では3-2と打ち勝ったが、両チームとも海外組を欠いていた。互いにベストメンバーが揃っての再戦がどうなるかは興味深い。
仮にグループ3位同士の5位決定戦に回るようだと、タイ、または開催国ヨルダンとの対戦が濃厚。力では上回っていても、一発勝負だけに余計なプレッシャーがかかる。オーストラリア、韓国のどちらかは確実に上回り、グループ2位以内で「準決勝進出=本大会出場決定」というルートが望ましい。そのためにも、まずは7日に迎える第1戦でベトナム相手に1点でも多く得点を奪って勝利し、韓国、オーストラリアとの決戦を迎えたい。
(西森 彰 / Akira Nishimori)