ACL敗退に潜む“警鐘” 川崎FW大久保、深刻な得点力不足に「勝負させてくれれば…」
「ボールを入れてくれないと何も始まらない」
ただ、ポジティブな内容の裏で気になるのは、この時間帯に得点が奪えていないことだ。主導権を握っている状況で得点を手にすればチームとしても勢いに乗れるが、ここで得点できないのが今の川崎。ACLでも4試合消化時点で3点となかなかゴールが奪えなかったなか、上海上港戦もそうした状況を打破することはできなかった
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「前半はすごくみんな集中していて、守備の部分で相手を上回っていたことが良い攻撃につながっていたと思う。自分たちのペースでやれていたと思うけど、ああいう時間帯に得点が取れないことが今年のフロンターレのあまり良くないところかなと感じた」(FW知念慶)
攻撃的なサッカーが魅力のチームだけに、この得点力不足は深刻な問題だ。ACL敗退は決まってしまったが、この状況がズルズルと続けば連覇を目指すリーグ戦にも影響が出かねない。
「やっぱり前にというか、ボールを入れてくれないと何も始まらない。全部が全部でなくて、リズムで行かないと行けない時もある。そこで勝負させてくれれば……。点を取れないと勝てないからね」(大久保)
自慢の攻撃が影を潜めたまま、川崎のACL挑戦は幕を閉じた。この悔しい経験をどう生かしていくのか。未勝利でACL敗退決定という屈辱から、チームとしてもう一度、立ち上がらなければならない。
(林 遼平 / Ryohei Hayashi)
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。