ACL敗退に潜む“警鐘” 川崎FW大久保、深刻な得点力不足に「勝負させてくれれば…」
ACL敗退が決定して臨んだ上海上港戦、前半はスピーディーな攻撃が効いていたが…
またしてもあと一歩が届かなかった。昨季J1王者の川崎フロンターレは4日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ(GS)第5節の上海上港戦に臨んだ。先に試合を終えていた蔚山現代(韓国)がメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)に6-2と勝利し、GS突破の可能性が潰えたなかで行われた一戦は1-1のドロー決着となった。
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「何も言われなかったら、そういうことなのかなと。みんなも分かっていたと思う」
今季2年ぶりにチームに復帰したベテランのFW大久保嘉人はそう振り返る。
もっとも、川崎は敗退が決まったなかでも前半から気持ちのこもったプレーを披露した。守備で相手をしっかり抑えながら、縦に素早い攻撃を繰り返し、ミドルシュートなどでチャンスを構築。何度も相手ゴールに近づいていった。大久保も前半の出来について手応えを語っている。
「スピーディーだったね。中盤は相手が固めてくるけど、(森谷)賢太郎と守田(英正)が降りてきたら間がめちゃくちゃ空くので、あそこに俺が降りれば相手が食いついてどんどんスペースが空いていた。前に行ったところからはまだまだだったけど、スピーディーというか、止まらずに行けた。そこで取られたとしても、リズムに乗れているから戻れる。そこはやりやすかった」
大久保の言う“スピーディーな攻撃”は、確かに相手に脅威を与えていた。その証拠に上海上港の両ワイド、中国代表FWウー・レイとブラジル代表FWフッキがかなり低い位置にポジションを取り、前へ出て行くことに時間がかかって攻撃に迫力がなかった。
林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。