ブラジルで7年間プロ生活を送るFW東城利哉 日本で「枠にはめられるのが嫌だった」
小学生の頃から海外留学を経験 ブラジル人の姿勢が「自分にフィットした」
高校を卒業後、単身ブラジルへと渡り、「TOSHI」の登録名で現地で7年間プロ生活を送っている一人の日本人選手がいる。
FW東城利哉、25歳。二つの小クラブを経て、2014年に当時ブラジル全国選手権2部リーグだったサンタカタリーナ州のアヴァイに移籍。15、17年には出場こそならなかったが、全国選手権1部リーグで三浦知良(現・横浜FC)以来となるベンチ入りも果たした。今年から同州1部、全国選手権4部のインテル・ジ・ラージスにレンタル移籍。再びビッグクラブへの返り咲きを目指す若武者は、なぜブラジルに渡り、今もプレーを続けるのか――。その挑戦に迫った。
雄大な自然や広大な畑が街の郊外に広がる、ブラジル南部サンタカタリーナ州のラージス。高速道路を馬やタヌキが横切る、人口約17万人ののどかな田舎町で7年目のプロ生活に突入した東城が、ブラジルでプロサッカー選手になる夢を持つようになったのは12歳の時だったという。
男3人兄弟の真ん中として生まれ、兄弟仲良くサッカーボールを蹴っていた幼少期。サーファーとして国内の大会を渡り歩き、海外での国際大会出場を目指しながらも、夢を叶えることができなかった父からは、小さい頃から海外に挑戦することの意味を聞かされて続けてきた。そして10歳で初めてスペインで海外サッカー留学を経験すると、2年後にはブラジルにも渡航。3週間の滞在中に現地で目にした光景が、ドリブル好きだった東城を魅了し、将来ブラジルでプロとしてプレーするんだという強い思いを胸に刻み込んだのだという。
「ブラジルではゴールを決めた選手が主役になれる。だから、みんな強引にシュートを打とうとする。ゴールに対して本当に貪欲。そういうブラジル人のサッカーに対する姿勢が、自分にフィットしたんです」