“仮想日本”で臨んできたポーランドを韓国はどう見たか? 「背後を狙うプレーは効果的」

「縦に速い攻撃」の完成度が高まれば…

 現在の日本代表に、この言葉がピタリと当てはまることはないだろうが、中盤で細かいパスをつなぎながら、最終ラインの裏に抜ける動きにボールを合わせられるなら、ポーランド相手に得点チャンスを作れそうなイメージはある。バヒド・ハリルホジッチ監督が目指す「縦に速い攻撃」の完成度が高まれば、ゴールも期待できるかもしれない。

 一方、韓国の守備はどうだったのか。いくら相手が世界屈指のストライカーであるレバンドフスキを擁するポーランドとはいえ、韓国の3失点は守備面に不安を残していると言える。

 一般紙「東亜日報」は「いまだに守備の不安は“シン・テヨン号”のアキレス腱だ」と指摘している。

 実は今回、韓国代表にはKリーグの全北現代から5人のDF(キム・ミンジェ、ホン・ジョンホ、イ・ヨン、チェ・チョルスン、キム・ジンス)をメンバー入りさせている。

 シン・テヨン監督は“守備の組織力”強化を強調しており、北アイルランド戦とポーランド戦では彼らを起用するかと思われたが、実際には代表でも不動のCBになりつつあるFC東京のDFチャン・ヒョンスを起用。フォーメーションも3バックに加え、ウイングバックを使う“5バック”の形を取ったが、それが機能したとは言い難く、課題が浮き彫りになった格好だ。

 同紙も「全北現代5人のDFを選んでおきながら、守備の組織力をテストしなかったことに、疑問符が投げかけられている」と指摘しており、守備面の強化は急務と言える。

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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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