【データ分析】W杯初戦で激突のコロンビア 3月の2試合で見えた「攻略への10のポイント」
日本代表が突くべきポイントは両SBか
ここからは、データから見えた攻守両面の弱点について触れていきたい。選手の特徴が反映された武器の裏には、必ず裏があるものだ。
【Point 7】攻撃時にフィニッシュワークにかける人数が少ない
左サイドでムリエルがドリブル突破を試みたり、ハメスのサイドチェンジ後にウリベやアリアスが中央へのパスを送り込むことで得点機会を作り上げているが、中央にはFWが1枚残るのみ。ファルカオはフランス戦で空中戦8戦1勝と競り合いの弱さを露見し、オーストラリア戦では攻撃時のチャレンジで全敗した。
【Point 8】守備時にできる右SBの裏のスペース
フランス戦においてアリアスのポジショニングのズレが散見され、裏に広大なスペースができている。ウリベがサポートに回るものの、アリアスは守備時に6戦1勝(勝率16.7%)と対応に後手を踏んでしまうケースが幾度となく見受けられた。
オーストラリア戦では、6戦5勝(83.3%)と劇的な改善が見られたものの、主に逆サイドからの攻撃が多かったことや、ウイングの選手との距離感が良かった点に起因する。
【Point 9】守備時にできる左SBのアンバランスさ
フランス戦で左サイドバックを務めたDFフランク・ファブラ(ボカ・ジュニアーズ)は、マッチアップしたフランス代表FWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)の対応もあり、この試合では終始守備意識を高めていた。その甲斐あって11戦7勝(63.6%)と守備面での貢献度はあったものの、攻撃時のデュエルは全敗とバランスを欠いた。
オーストラリア戦では同ポジションをモヒカが務めたが、14戦6勝(42.9%)と高パフォーマンスを発揮したとは言えず、攻撃面でも7戦1勝(14.3%)と後手を踏む場面が多く見られた。
【Point 10】失点を助長するファウルトラブル
コロンビアはW杯南米予選で一時2位に浮上したものの、好不調の波が目立ってしまった。最終的に4位で出場権を勝ち取ったが、守備陣の不安定さを露呈している。
今回のテストマッチ2試合で浮き彫りとなったのは、一定の時間帯におけるファウル率の高さだ。フランス戦ではファウル数が14回(前半6回・後半8回)、オーストラリア戦では16回(前半7回・後半9回)記録されたが、どちらの試合でも前半20~30分頃と後半30分~40分頃に連続してファウルが発生している。試合展開にもよるが、チームとして一つの傾向となっている可能性もある。
日本はコロンビアのサイドバック裏のスペースを執拗に攻め入って相手の集中力を削ぎつつ、自分たちの時間を保持することが必要となる。特にブラジルW杯で屈辱の敗戦を喫したメンバーや、リオデジャネイロ五輪で決勝トーナメント進出を阻まれたメンバーたちには、強い気持ちでコロンビアに挑み積極的なプレーを貫いてリベンジしてもらいたい。
(Evolving Data)
Evolving Data
日本初のサッカー選手データメディア。現在はチームや選手のバイオリズムに加え、選手の人生を踏まえた選手名鑑を作成中。データを活かした『パラメータ』に加え、オウンドメディア内でのライブ配信も行う。
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