「贅沢なことはできない」 ハリル監督、選手との意識に溝 ボール支配or前への動き?
本田が大事と思うことは「チームがやりたいこととは明らかに違う」
ウクライナ戦後にFW本田圭佑(パチューカ)が「対策としては、支配しようとすることが大事で、結果的に守備も良くなると考えたい。一つ一つのプレーの選び方が、より個をさらけ出すようなプレースタイルに今はなっているので、それを消すために上手くチームでカバーするには、試合を支配するということが僕は大事かなと思う」と言及。「それがチームがやりたいことかというと、明らかに違うと思う」と話したのが象徴的だろう。
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本田は右サイドから斜め後方に入るような動きで、インサイドプレーをしてボールを受けていた。DF長友佑都(ガラタサライ)が「圭佑のサイドから起点を作ってたし、絶対にみなさんも上から見てて思ったと思うんですよね。起点になっているとか。チームに変わった部分があった」と話したように、選手たちは好意的に捉えている。
しかし、ハリルホジッチ監督の見立ては全く違うものだった。
「ボールを持ったら攻撃のところで我々の瞬発力やスピード、リズムの変化、速いボール回し、前に向かう姿や動きが必要だ。今日は引いてもらう動きが多かった。相手ゴールに背を向けたプレーです。本日の試合では多すぎたと思うので、そういうところも変えないと上手くいかない」
あくまでも、FWに期待するのは「裏に抜けること」「点を取る、取らせるプレー」という持論は崩さない。一例を挙げれば、本田はACミランでのラストシーズンでスペイン代表FWスソとのポジション争いに敗れた形になったが、その差がゴールに直結したプレーで試合を動かせるかどうかという欧州ではスタンダードになる評価基準だった。スソも自分のポジションから逸脱して中央に入り込むが、その代わりにゴールやアシストをする。本田のように「リズムを作る」というプレーはあまり高く評価されない。