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ベッカムが放つ稀有なスター性 奇跡を呼んだ“魔法の右足”と「愚か者」からの復活劇
CL決勝で奇跡の大逆転劇を呼び込んだ2本のCK
とはいえ、この時期がユナイテッドのベッカムとしては最も輝かしい時期だったのも事実だ。前線にドワイト・ヨーク、アンディ・コールといった空中戦マスターがいるなかで、ベッカムのアーリークロスは幾多のゴールを生んだ。逆サイドのライアン・ギグスや、中央を締めるロイ・キーンとポール・スコールズといった陣容は、歴代でもベストの中盤との呼び声も高い。
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98年フランスW杯を終えてスタートしたシーズン、ユナイテッドはリーグ、FA杯、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の三冠を達成。そのなかでバイエルン・ミュンヘンと激突したCL決勝の大逆転劇は、今でも語り草となっている。
バイエルンの1点リードで迎えた後半アディショナルタイム、ベッカムが蹴ったCKからテディ・シェリンガムが同点ゴール。さらに2分後、再びベッカムのCKをシェリンガムが頭でつなぐと、オーレ・グンナー・スールシャールが蹴り込んで劇的な逆転勝利になった。いずれもベッカムの正確なキックが導いたものとして、その名声もまた確かなものになった。
そうした活躍が続くなか、イングランド代表での目標は2002年の日韓W杯。出場を決めたギリシャ戦では、後半アディショナルタイムに直接FKを決める印象的な活躍を見せた。しかし、大会を2カ月後に控えた時期に左足を骨折。大舞台に間に合わせるために、今ではポピュラーになった酸素カプセルを利用したリハビリを行った。これが後に「ベッカム・カプセル」として、日本での話題をさらうことになった。