マンチェスター・ユナイテッドは、PSVのオランダ代表FWメンフィス・デパイの移籍合意を発表した。リバプールのブレンダン・ロジャース監督は、それを受けてコメント。その内容が、大きな波紋を生んでいる。 指揮官は記者会見でオランダの至宝をライバルクラブに奪われたことに関して質問を受けた。すると、こう力説した。 「君たちには申し訳ないが、我々が興味を持ったことがある選手ではない。彼は間違いなく才能を持った若い選手だが、我々にはすでにウインガーが4人もいる。若いラヒーム・スターリングにジョーダン・イベ、アダム・ ラナーナ、ラザール・マルコビッチもいる。我々は、この夏に他の優先順位の高い選手を探している。特に左サイドにはラヒームがいる。そのタイプの選手は人材豊富なんだ」 PSVのマルセロ・ブランド強化部長は、リバプールとパリ・サンジェルマンが争奪戦に参加していたことを明かしており、リバプール幹部もデパイの代理人と極秘会談を持ったとされていた。 「リバプール・エコー」は「ブレンダン・ロジャースはメンフィス・デパイに関してのコメントをするとき、空元気を装った」と見出しで特集した。さらに、「マンチェスター・イブニング・ニュース」のロブ・ドーソン記者はツイッターで「ロジャースの“興味を持ったことがない”という発言は、男子学生が女の子に振られた後に“ 別に好きじゃなかったんだ”と主張するようなものだ」とやゆしている。 ライバルに獲物をさらわれたことはイングランドでほぼ既成事実と化している。リバプールが昨年、アーセナルとの争奪戦に敗れたチリ代表FWアレクセス・サンチェスは今季大活躍した経緯もあった。ロジャース監督は、デパイ争奪戦に参加した事実を認めるわけにはいかなかったのかもしれない。 【了】 サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images