36分間で19本のスプリント 広島の浅野が見せる進化の過程

日本代表候補に選出された20歳のFW浅野拓磨

 今月7日に発表された日本代表候補メンバー28選手。そこに7人の初招集選手が名を連ねる中、広島から一人のFWが選出された。20歳の浅野拓磨だ。

 広島の新鋭FWは初選出の朗報が届く直前に、成長を跡を見せていた。6日に行われたアウェーの川崎戦でのことだった。

 広島は試合開始早々の前半3分、川崎F守備陣の連携ミスを突いて、MFドウグラスのゴールでリードを奪う。だがその後は、ほぼ川崎Fにボールを持たれる苦しい状況が続いていた。

 こうした展開の中、後半9分、広島の森保一監督はFW佐藤寿人に代えて、20歳のFWを送り出した。この狙いについて、森保監督は「寿人が疲労してきたところで、よりスピードと運動量を持って縦に仕掛けていける、ポイントを作れる浅野を投入した」と振り返っている。

 指揮官の狙い通り、浅野が投入されてから流れが変わった。それまで一方的だった川崎Fの猛攻が抑止され、広島にもいくつかの決定的チャンスが生まれ始めた。それは「浅野が入ってからは、背後へ狙っていくこと、ポイントを作ってディフェンスラインを押し上げることができた」と森保監督も認めている。結果、広島はそのまま1-0で勝利を収め、優勝した2013年シーズン以来2季ぶりの5連勝をマーク。暫定ながら首位浦和と勝点1差の3位へと浮上した。

 

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