コスタリカ戦の後半で劇的に改善された日本の「ボール維持率(Sustain rate)」 データから浮き彫りになった“主力選手”の重要性
課題を残すセカンドボールへの対応
ただ、攻撃で本来の日本代表らしさが見られた一方で、不安なデータは相変わらず存在する。それはセカンドボールへの対応だ。
思ったほどでは無かったが、それでも前半18本、後半15本の長いボールが日本陣内に放り込まれている。33本のうち約60%は日本代表が競り勝っている。しかし、セカンドボール、サードボールまで含めると逆に60%、つまり20本のボールを拾われてしまい二次攻撃を受けてしまう結果となった。セカンドボールを拾えるかどうか一つは意識の問題だ。そして最も重要なことは、こぼれるエリアを予測するポジショニングだろう。
さらに細かく見ていくと前半に放り込まれた多くのロングボールは日本の左サイド、即ち今野のサイドからだった。センターバックは、ロングボールに対して対峙する選手との駆け引きやボールの落ちる位置を予測し、構えた状態でプレーする。しかしサイドバックはそうしたロングボールやクロスボールを上げさせない、あるいはその精度を落とすためにはっきりとプレッシャーをかけるアクティブな動きが求められるのだ。
本大会が始まった時、そこでの勝敗を分けるのは、小さなプレーのずれやほんの些細なミスになってくるはずだ。ザックジャパンの目指すサッカーは、誰が出場しても同じやり方をうたっているが、実はかなりの部分が出場する選手によって影響を受けている。そういう意味では遠藤、岡崎、長友の重要さが浮き彫りになったのと同時に、もし主力に不測の事態が生じた時に、どのようなメンバー構成で試合をするのかという課題が浮き彫りになった一戦でもなった。(※データ:Soccer Magazine ZONE web編集部により独自に取得)
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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