コスタリカ戦の後半で劇的に改善された日本の「ボール維持率(Sustain rate)」 データから浮き彫りになった“主力選手”の重要性

遠藤、岡崎、長友の重要性

 

 反面、後半になると様相が一転する。遠藤と岡崎が後半開始直後から入り、途中から長友も加わった。

 まず目立ったのが、岡崎の2列目からの裏への飛び出しだ。開始直後から相手最終ラインの背後に抜け出して数多くのチャンスを演出するだけでなく、サイドに構えて良いタイミングで中に入り込み、縦のボールを上手く引き出すプレーをしていた。そうした一連のプレーの結果、攻撃の流れが非常にスピーディーになった。

 そして、特筆すべきは遠藤の3列目からのオーバーラップだ。遠藤らしからぬプレーで左からのクロスボールに頭から飛び込むプレーもあり、直接得点に繋がったシュートもペナルティエリア内でのプレーだった。

 前半、本田や香川が相手DFの壁をこじ開けるのに苦労していた時、周囲の選手は主にその後方でサポートに回っていたが、後半の遠藤や岡崎のプレーは相手の守備ブロックをこじ開ける方法を自ら実践した形となった。

 さらに長友の途中出場で左サイドも活性化した。前半の香川の受けたパスは31本でボール維持率は68%だったが、後半は43本のパスを受け、ボール維持率も82%にまで上昇した。パスを受けてさばいてリズムを作り、そしてペナルティエリア内で決定的な仕事をするプレーが香川の持ち味の一つだが、長友の投入でまさにそれが生きた結果となった。

 コスタリカからすれば右の岡崎の動きは一瞬も目を離せない。ボランチは攻撃参加してくる。さらに左サイドを積極的に追い越してくるサイドバックが入ってきたとなれば相当苦労したはずだ。後半は、前線の4選手で受けたパス数は約10%増え、ボール維持率も73%から82%にまで改善された。

 

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