FA杯で“1試合に10回”VAR発動し大混乱 「滑稽」「ファンに申し訳ない」と議論呼ぶ
トットナムとロッチデールの一戦、前半だけで7回もビデオ判定が行われる
現地時間2月28日に行われた英FAカップ5回戦の再試合で、プレミアリーグのトットナムが英3部相当のロッチデールを6-1で粉砕した。この試合では元スペイン代表FWフェルナンド・ジョレンテがハットトリック、韓国代表FWソン・フンミンが2得点と活躍したが、最も注目を浴びたのは選手ではなく、物議を醸したビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)だった。
英公共放送「BBC」は、このVARの判定について特集している。前半だけで7回もビデオ判定が行われたなかで、最初のプレーは前半7分。ソン・フンミンがエリア内右を突破し、クロスを送ってMFエリク・ラメラがネットを揺らした場面。ゴールを確信したウェンブリー・スタジアムのファンは一気に沸き上がり、試合の均衡が破れたかに思われた。
しかし、歓喜のスパーズイレブンをよそに主審がVARでの検証を指示。ゴールの前に、ロッチデールDFともつれ合ったジョレンテにファウルがあったとして、ノーゴールと判定された。
さらにその後も前半22分のトットナムMFルーカス・モウラが倒された場面や、同23分のソン・フンミンの先制ゴール、同25分にDFキーラン・トリッピアーがエリア付近でファウルを受けた場面(FKの判定)など頻繁にVARが使用された。
同29分にはソン・フンミンがPKを成功させたが、キックモーションに入ってから一旦停止してキックを行ったことからVARが発動。結果はノーゴールで、キックフェイントを行ったソン・フンミンにはイエローカードが提示され、ロッチデールのFKで試合再開となった。前半は中断時間が多く、アディショナルタイムは異例の6分。試合を通して10回もVARが使用された。