マンチェスター・ユナイテッドのコロンビア代表FWラダメル・ファルカオが、スペイン代表GKダビド・デ・ヘアの契約延長の条件として“セット残留”となる可能性が浮上している。地元紙「マンチェスター・イブニング・ニュース」が報じている。 ファルカオは、昨夏の移籍市場最終日にモナコから期限付き移籍で加入した。マーケット最大の目玉選手として注目されていたが、今季27試合出場4得点と期待外れの成績に終わっている。ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督は当初、高額年俸のファルカオに対する買い取りオプションを行使せず、モナコに送還することが濃厚視されて いた。 だが、「エル・ティグレ(虎)」の異名を持つストライカーの去就問題は、さまざまな政治的要素が交錯するという。記事では「もし、デ・ヘアがクラブと新しい契約にサインした場合、ラダメル・ファルカオは残留するかもしれない」と分析している。その理由は、2人が同じ代理人のジョルジュ・メンデス氏と契約しているからだというのだ。 デ・ヘアは、今季数々のスーパーセーブでチームを救い、PFA年間最優秀選手候補にも選出された。クラブは慰留に全力を尽くしているが、レアル・マドリードがGKイケル・カシジャスの後継者として獲得に乗り出している。地元メディアは、デ・ヘア自身もガールフレンドの歌手の活動拠点であるマドリード移籍を熱望しているとも報じている。
ユナイテッドはデ・ヘア残留に向け、絶大な影響力を持つメンデス代理人に、来季去就不透明なファルカオ残留という“エサ”を与える戦略だというのだ。ファン・ハール監督は先月、デ・ヘアに巨額のオファーを出したことを認めている。来季優勝を狙う上でも必要不可欠な守護神慰留に向け、名門はありとあらゆる手段を尽くすのかもしれない。【了】サッカーマガジンZONE編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE webゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images