「もしJリーグでも勝てなかったら…」 3連敗スタートの川崎が振り払った“王者の重圧”
J1開幕戦で磐田に3-0快勝 重くのしかかっていた“勝たなければ”の空気
公式戦3連敗の泥沼からついに抜け出した。昨季J1王者の川崎フロンターレは25日、Jリーグ開幕戦で敵地エコパスタジアムに乗り込みジュビロ磐田と対戦。MF中村憲剛の1ゴール2アシストの活躍もあって3-0で快勝し、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)での連敗を含む公式戦3連敗という嫌な流れを断ち切って、今季初勝利を飾った。
想像以上にプレッシャーはかかっていた。王者としての重圧、そして連敗によって作り出された「勝たなければ」という空気――。試合後の会見で「選手たちがこの苦しく、プレッシャーのある中で、勇気を持ってピッチに立ってくれたこと。これが全てだと思っている」と、鬼木達監督が選手たちを労ったのも無理はない。昨季のJリーグ年間最優秀選手であるFW小林悠が、「なかなか勝てないなかで、Jリーグでも勝てなかったらここから難しくなるなと思っていた」と正直な思いを吐露したように、磐田戦の結果次第ではさらにチームが崩れていく可能性もあった。
しかし、この日の川崎にはプレッシャーを打ち破る力が備わっていた。前半の序盤に二度の決定機を相手に許すも、韓国人GKチョン・ソンリョンの好守などで失点を防ぐと、前半24分にMFエドゥアルド・ネットのパスから中村がヘディングで押し込み先制。その後、セットプレーを絡めて2得点を奪い、勝利を引き寄せた。この日、3得点すべてに絡んだ中村は、チーム一丸となってつかんだ勝利であることを強調している。
「ここまでの公式戦では先制点を取れていなかったので、やっぱりそこは大きいなとは感じたけど、その前のところで(谷口)彰悟が体を張って防いでくれたり、(チョン・)ソンリョンが止めてくれたりしたところもあるので、本当にみんなで一体となって頑張って勝った試合だなと思う」