レフティー“新10番”、湘南での第2章へ 4年後を見据えた「理想のボランチ像」とは?
「両ゴール前に顔を出し、得点に絡むのは必須」
では、秋野は自らの役割をどのように捉えているのか。一つはもちろん、最も得意とするゲームメイクだ。湘南は昨季、引いて守りを固める相手には手を焼く傾向にあったが、「自分がリードして組み立てないとなかなか厳しい」と感じたという。中心選手としての自覚はいっそう強まり、「調子が良くない時こそしっかり顔を出して、リンクマンとなって攻撃を始められるようにしたい」とイメージを膨らませる。
そして、秋野にはボランチの一つの理想像がある。ひと昔前まで守備的なイメージがあったボランチも、現代では攻撃で決定機に顔を出す働きが求められ、いわゆる“ボックス・トゥ・ボックス”の動きは欠かせない。その部分は強く意識しているという。
「日本代表に入っているボランチの選手は、運動量があって、動く範囲もすごく広い。両方のゴール前に顔を出す回数も多いし、得点に絡むのは必須だと思っています。そういう意味では、守備の強度を上げて僕のところでボールを取れればウチの得意なショートカウンターを出せるので、まずは良い守備から攻撃を仕掛ける回数を増やしていければなと」
リオ五輪世代の秋野は、各年代別代表に名を連ねてきたが、残念ながら2016年のリオ五輪出場は叶わなかった。同世代が日本代表で勢力を伸ばしつつあるなか、まだ見ぬA代表への思いは強く抱いているという。
「正直、次の(ロシア)ワールドカップは難しいと思いますが、4年後(カタール・ワールドカップ)を見据えて、日本代表はやはり目指さなければいけない場所。そう考えた時に、自分に何が必要か、何が足りていないのかを常に自問自答して、それを克服するために行動する。その積み重ねだと思うので、ブレないことが一番大事ですね」
静かに闘志を燃やす秋野のチャレンジ第2章がいよいよスタートする。
【了】
小田智史●文 text by Tomofumi Oda(Football ZONE web編集部)
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images