次なる一手はお風呂!? Jリーグの“常勝軍団”鹿島が仕掛ける「スタジアムビジネス」
ホームタウンに寄り添う鹿島、2006年からスタジアム事業に着手
地域に寄り添うスタジアム――。鹿島アントラーズの本拠地カシマスタジアムは、そう表現するのがぴったりくる。
2006年、鹿島はJクラブで初めて公共施設等の管理を民間の企業・団体が代行する「指定管理者制度」に参入。茨城県からの委託を受けて、カシマスタジアムの運営をクラブ単独で担うようになった。
スタジアム敷地内には鹿島のチームドクターも診療にあたる「アントラーズスポーツクリニック」や、ボルダリングルームやマシンジム、フィットネススタジオのある「カシマウェルネスプラザ」といった施設が充実。次々に新しい事業を始めた。
さらにビアガーデンやフリーマーケットも開催されるなど、試合開催日以外にもお客さんがスタジアムへ足を運ぶ工夫がなされている。スタジアムの存在がより日常に溶け込むようにと努力が重ねられており、多様化したスタジアムビジネスへの取り組みはJリーグで最先端と言えるものだ。
鹿島の取締役事業部長を務める鈴木秀樹氏に話を聞くと、「地域と密接に関わるクラブなので、スタジアムを自分たちのプロモーションの場に変えないといけない。そこはプロスポーツが地域に存在するためには絶対に避けられない」と、スタジアムビジネスの重要性を強調する。
「本業を正しくやっているだけでは食っていけないんだよ。それだけじゃクラブを支えていけない。スタジアム事業も偉そうにやっている訳じゃなくて、もがいているんです。
守りに入っちゃいけない。ウチみたいな小さなクラブは、守っていたらすぐになくなっちゃうからさ」