「ここからがいばらの道」 磐田・名波監督が「手応えはそんなにない」と語った理由とは?
「5位以内というのが一番良い目標」
J1に残留した2年前、6位に入った昨季を踏まえれば、「ホップ、ステップ」と進んできているように見えるチームだ。そう問いかけると「そう見てもらえるのは嬉しいこと。一度チームをぶっ壊してから、スムーズに来たと思う」と話す一方で、名波監督は「でもね」と言葉をつなぎ、ここからさらに上を見ていくことの難しさを説いた。
「ここからがさらにいばらの道で、現役時代に“ここから”を知っているのでね。どう勝ち上がっていくかを提示してあげなくてはいけないし、逆にピッチの中でそういう選手が色濃く出てこないと。昨年の成績に満足して頭打ちになってしまうことだってある。優勝とか、ACLというのは全く頭にない。5位以内というのが一番良い目標だと改めて感じます」
昨季に比べれば、磐田は他チームから研究される対象になり、より詳細に分析を受けることになる。
「ワールドカップ中断期間までをどのクラブもポイントにしていると思う。そこで、上にどれだけしがみついていられるか。昨年はちょうどその時期に連勝して上が見えて、ここで離されないというモチベーションになった。今年も同じようにしていきたい」
磐田の黄金時代を復活させることが目標でありつつも、その難しさを誰よりも理解しているのが名波監督だろう。まずは上位に定着することを掲げた指揮官とサックスブルー軍団は、今季をその足掛かりにしていくことを狙っている。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web
page1 page2