J1札幌の「マインドを変える」 名将ペトロヴィッチが挑む“人材供給クラブ”からの脱却
攻撃的なサッカー哲学を持ち込む指揮官が見据える、“もう一つの変化”
今季から北海道コンサドーレ札幌の指揮官に就任したミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、1月15日からの沖縄1次キャンプ、2月3日から11日までハワイで行われた2次キャンプ、そして13日からの熊本3次キャンプで新天地でのチーム作りを進めている。同監督のサッカー哲学については改めて記すまでもないが、「攻撃的なサッカーで観る者を魅了したい」というもの。昨季までは堅実な戦いでしぶとく勝ち点を積み上げてきた札幌のプレースタイルをドラスティックに変えていくはずだ。
そのなかで、ペトロヴィッチ監督が挑もうとしている“もう一つの変化”に注目したい。
1月12日の就任会見でペトロヴィッチ監督は、このような言葉を口にしていた。
「札幌はこれまで、どちらかというと選手が活躍をすればすぐに他チームへと出ていってしまう。そういうチームだったと思う。ただし、私はこれから札幌を選手にとっても魅力的なチームにしていきたいと考えている。札幌で活躍をした選手たちが『ここに残ってプレーをしたい』と思うような、あるいは他チームの選手たちが『札幌でプレーがしたい』と思ってくれるような、そういうチームにしていきたい」
この部分について、ペトロヴィッチ監督は筆者との会話の中で「クラブとしてのマインドを変えていきたい」としていた。「札幌から才能のある選手が輩出されることが悪いことだとは思わない。だが、選手にとってのステップアップのためのチームにとどまってはいけない。逆に他チームの選手が札幌への移籍を目指すようなチームを目指さなければいけない。もちろん、そうした魅力のあるチームを作っていくことも、私の大きな仕事だ」とも続けた。