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フランス代表が歩んだ協調と内紛の歴史 “移民の子たち”が見据える二度目のW杯制覇
ロシアへ向かう移民の子たちは…
異なる人種が協調した美しい栄光と、絶望的な断絶が生んだ恥辱の事件――。両極端の出来事を経て、フランスは今回も移民の子たちがロシアへ向かう。バスク人のディディエ・デシャン監督が見当違いな説教をすることはないだろう。若い選手たちも尖ったエゴを露出させたりはしなくなった。4年前のブラジルW杯でベスト8、2年前の欧州選手権で準優勝。二度目の世界一へ、少しずつ近づいているようにも見える。
かつてブラジル人のデコやペペがポルトガル代表に選出された時、「フランスみたいになりたいのか」という声があった。果たして未来は「フランスのようになら、なってもいい」になるのか、それとも「クズは放水で排除しろ」の方向へ行くのか。フランスに限らず、どの代表チームにも社会を変える力はないが、それぞれの社会の縮図ではある。
【了】
西部謙司●文 text by Kenji Nishibe
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images