「どれだけラッキーなのか…」 “ハイキック男”エブラ、ウェストハム正式加入に感激
かつての恩師モイーズ監督の導きにより、現役引退の危機から脱する
元フランス代表DFパトリス・エブラは、昨年11月に起きたサポーターへの“ハイキック事件”で解雇されて無所属となっていたが、プレミアリーグのウェストハム加入が決定した。この動向について本人は「ラッキーだ」と話しているようだ。英公共放送「BBC」が伝えている。
エブラはマルセイユ所属時の今季UEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージ、ギマラエス(ポルトガル)との試合前、ピッチに乱入してきたマルセイユファンに対して、利き足での左ハイキックをお見舞い。日本代表DF酒井宏樹らの制止も間に合わなかった一撃により、クラブから即解雇、UEFA(欧州サッカー連盟)も今年6月30日までの出場停止処分を科した。
現在36歳のエブラにとってキャリアをそのまま閉じる最大の危機となったわけだが、救いの手を差し伸べたのはかつての恩師で、現ウェストハム監督のデイビッド・モイーズだった。マンチェスター・ユナイテッド時代に指揮官と選手の関係だったことから獲得に動き、ウェストハム加入が決まった。記事では、エブラの感謝と喜びのコメントを紹介している。
「自分に仕事する機会を与えてくれたウェストハムには感謝している。自分自身、どれだけラッキーなのか分からないほどだよ。朝起きて、自分が新しいチームで練習できることを感じられるだけで笑顔になれるんだ」
ちなみに今回の移籍については「5分で即決した。問題はお金じゃないし、自分のサッカー人生で最も速い契約だった」ともエブラは話している。プロサッカー選手としてボールを蹴られることを噛み締める――。愚行に反省したエブラは今度こそベテランの味を見せられるか。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images