14年目を迎えた「やべっちF.C.」 番組立ち上げから携わる放送作家の思い
変わらぬ思い
「今までにないサッカー番組をつくる」
そこに注力してきた。硬派すぎず、ゆるすぎず。たくさんの人に見られることを意識してきた。
「冷静な目を大切にして、VTRやナレーションをチェックする。僕らはテレビ番組づくりのコンサルタントであり、最初の視聴者。番組を見たサッカー好きが どう思うのかを代弁してきた。新しいサッカーの見せ方、試合の見せ方、Jリーグの盛り上げ方を突き詰めたい」
その思いは細部にも現れている。テロップ一つとっても、それまでのスポーツ番組の慣習に捕らわれず、分かりやすく大きく扱った。
試合映像でボールが誰を経由したのか、選手の名前を入れて紹介したのも「やべっちF.C.」がさきがけだ。さらに、そこに年齢も加えた。
「あの選手って何歳なのって、視聴者は気になるでしょ」
Jリーグを盛り上げるために、少しでも知らない人のために…そうした“ために”が番組の根幹を形作ってきた。
「多くの人にサッカーを楽しんでもらうためにはどうすればいいか、みんなで知恵を絞ってきた。笑いや涙、熱さが一緒くたに あってもいいんじゃないかって。立ち上げ当初は20代のスタッフばかりだったから、サッカーの熱はほっておいてもそこにあった」
13年が過ぎた今もそうした気風は、あまり変わっていない。
「楽しくなければやりたくないし、楽しくしたい。メンバーの入れ替えもあったけど、核となるメンバーは変わっていない。環境も変わったし、家庭を持つスタッフも増えてきたけれど、言っていることも、会議の雰囲気も変わらない」