14年目を迎えた「やべっちF.C.」 番組立ち上げから携わる放送作家の思い
「やべっちF.C.」のブレーン
「やべっちF.C.」はいつも面白いを形に変えてきた。ただし、映像には映らない人たちの姿がそこには存在する。彼らの温度と思いは、テレビ画面からも伝わってくる。14年目に突入した番組には、サッカーファンから愛され続ける理由があった。それはシンプルで明確な答えだった。
そこはオンエアーに流れない音であふれていた。
スタジオには照明がたかれ、徐々に時間の流れが加速する。コツコツ、パタパタと、革靴やスニーカーが刻む足音のリズムは、オンエアー開始を前にペースを速める。
サブでは、タイムキーパーが本番開始のカウントを始め ようと視線を手元に落とす。
VTRの編集を待つスタッフは、携帯電話を片手に連絡を取り合っている。
生放送の臨場感は、徐々に高まりを見せる。そうした日常は続き、今年で14年目となる。
「やべっちF.C.」は矢部浩之をメインMCに2002年の正月特番として産声を上げ、その年4月からレギュラー放送が始まった。
その誕生には、同年に開催される日韓ワールドカップ(W杯)を盛り上げる役割が多分に含まれていた。サブタイトルに「日本サッカー応援宣言」の文言が入っているのも、そのためだ。
なかじまはじめは、立ち上げ当初から番組の放送作家を務めてきた。
「放送作家の中で一番サッカーが好きだっていう自負があった。スタッフの方が、そのウワサを耳に してくれて、面接を受けることになった」
当時23歳の若者は、学生だった20歳のころに業界にもぐりこみ、多くのバラエティー番組を手掛けてきた。面接では「イタリア代表GKのジャンルイジ・ブッフォンが好きで、誕生日が一日しか違わないって熱く語ったら、面白がってくれた」と言う。そこから14年目となる今も「やべっちF.C.」のブレーンとして番組に携わっている。