本領発揮のアデミウソンと復帰の中村俊輔 横浜FMに生じた問題とは?

アデミウソンのトップ下固定により生じる問題

 従来のコンディションが戻りつつあるアデミウソンの存在は、横浜FMにとって最大のストロングポイントとなる。しかし、ここで一つ、クラブにとってある問題点が浮上し始めている。それは、試合後のエリク・モンバエルツ監督のコメントに垣間見えた。

「私は、アデミウソンの最も輝くポジションはトップ下であると考えている。DFラインと中盤の間でポジショニングのできる選手は稀だが、彼はそこでプレーするクオリティーを備えている。高い位置でボールを受け、そこから試合の流れをスピードアップできる。また、トップ下はハードな守備も求められるが、彼は走り回ることを厭わない。まさしく、私が求めていた選手だ」

 モンバエルツ監督は記者会見で、アデミウソンをストライカーではなくトップ下のプレイヤーとして評価していることを明らかにした。しかし、そのポジションは今まで横浜FMの象徴的存在・MF中村俊輔の立ち位置でもあった。

 中村は2010年にエスパニョールから復帰。トップ下としてチームをけん引し、13年にはJリーグMVPに選出された。今年の2月に左足首の手術を受けたため、開幕には間に合わず、22日に行われたナビスコ杯第4節の名古屋グランパス戦で今季デビューを果たした。

 コンディションはまだ万全ではないが、頼れる主将が帰ってきたことはチームにとっては朗報。しかし、監督がアデミウソンをトップ下起用で考えている場合、中村と共存できるのか、という疑問が生じてくる。

 モンバエルツ監督が記者会見で口にした「瞬発的なスピード」「縦横無尽なハードワーク」をトップ下に選手に求めているならば、中村の先発定着はそう容易いものではなくなってくる。

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