”MaJesty”うるさ型の英メディアを押さえ込んだ激烈な個性

プレミアのスターを 取り巻く誘惑

 プレミア・リーグの監督でファーガソンだけがこうしたスキャンダルに頭を痛めているわけではない。実際こうした女性問題は、ギャンブルや酒、ドラッグ等の問題と同様、プレミアのスターを取り巻く日常的なトラブルであり、その誘惑の下地は強固で分厚い。理由は、イングランドにおいてサッカーが絶大な人気を誇る宗教的なスポーツであることに他ならない。選手の扱いはまさに王侯貴族に対するそれで、彼等こそ現代のイングランドで真の街のプリンスと言える存在だ。
 そんな選手たちは、サッカーに身も心も捧げたイングランド男子に崇拝されるだけではなく、女性からも熱烈な関心を集める。近年サッカー選手の妻や恋人は「WAGs」(wives and girlfriends=ワグズ)と呼ばれ、21世紀のイングランドでは彼女たちも立派なセレブリティー。デビッド・ベッカムの妻ビクトリア、ウェイン・ルーニーのコリーン夫人をはじめ、スターの妻はマスコミでの露出度も芸能人並みで、そのリッチな暮らしぶりは女性の憧れの的になっている。 若くて金も名声も、もちろん体力も人一倍ある選手たち。一方でそんなプリンスを射止めようと、さらに着飾る容姿端麗な若き美女軍団がいる。こんな明確な図式が存在して問題が起きない方がおかしい。ターゲットにされる方もする方も、やる気満々だから始末に負えない。ところがこうした現実の反面、戒律が緩めのプロテスタントとはいえ、イングランドもキリスト教徒の国。”乱れた性“を嫌うお堅いところがある。特に不倫には厳しく、マスコミはこれでもかと暴いてくるのだ。

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