日系資本の米4部クラブから初のMLS選手誕生 “元10番”がコロラドにドラフト4位指名
創設3年目のゼスト 2016年に所属したブライアンが全体の72番目で指名される
アメリカとカナダの23クラブが加盟するMLS(メジャーリーグサッカー)は、19日と21日の2日間にわたって「MLSスーパードラフト会議」を実施した。これは戦力均衡や契約金高騰を抑えることを目的に毎年1月に行われるもので、全米体育協会(NCAA)に所属する学生選手を対象に前年の下位クラブから4巡目まで実施、今年は全81選手が指名を受けた。
このドラフト会議が日本で大きな注目を集めたのは2年前。メリーランド州立大のMF遠藤翼が、トロントFCから1巡目(全体の9番目)で指名を受け、日本人初の“1位指名選手”となって話題となった。
そして今年、“日本”と関わりのある一人の選手がプロの扉を叩いた。2016年にアメリカ初の日系資本クラブとして創設されたサンディエゴ・ゼストFC(以下ゼスト)で、背番号10を背負ったブライアン・イロスキが、全体で72番目となる4巡目でコロラド・ラピッズから指名を受け、同クラブ出身者で初のMLS選手誕生となった。
今年で創設3年目を迎えるゼストは、米4部相当のアマチュアリーグ最高峰であるUSLプレミア・ディベロップメント・リーグ(USL PDL)に参戦している。昨年はマシュー・ハーロー・パオネッサが、2部ユナイテッド・サッカー・リーグ(USL)に所属するフェニックス・ライジングFCに加入。今回のブライアンで、2人目のプロ選手輩出となった。
ブライアンは高校時代にロサンゼルス・ギャラクシーのユースアカデミーに在籍。2012年、高校年代のトップクラスにある選手同士の対抗戦「全米アカデミーオールスター戦」に選出され、その試合でMVP賞を受賞。10万人が受けた2012年のナイキチャンスでは世界のラスト16人まで残り、リオネル・メッシから称賛を受けた。その後、U-18とU-20の世代別代表をそれぞれ経験し、名門カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ではエースナンバーとなる背番号10を背負った。
なお、今回のドラフト会議で指名を受けた81選手のうち、66名がUSL PDLでのプレー経験を持つ。MLSへの扉を開く上で、PDLの重要性はより高まっているようだ。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
サンディエゴ・ゼストFC●写真 photo by San Diego Zest FC