宮本恒靖氏が分析する準決勝2試合とW杯優勝の行方 「状況的にドイツが有利なのは明らか」
準決勝で持ち味を発揮できなかったロッベン
10日に行われたオランダvsアルゼンチンは、準決勝1試合目とは打って変わって引き締まった試合に。宮本氏は「前日の試合を見て、慎重になったのかもしれない」と、“ベロオリゾンテの惨劇”が両チームの選手の心理に影響を及ぼした可能性があると指摘する。ディフェンスに重きを置いた試合は、決定的なチャンスがそれほどないまま進んでいった。
「オランダのシステムは5-3-2で、ファン・ペルシとロッベンの2トップでした。コスタリカ戦では5-2-3のシステムで、ロッベンは3トップの右サイドで、何度もドリブル突破を見せていました。ただ、2トップにしたことでロッベンがサイドではなく中央寄りでプレーする時間が多くなって、あまり持ち味を出せていませんでしたね」
アルゼンチンはメッシと共に攻撃を牽引していたディ・マリアが準決勝で負傷。“相棒”を失ったメッシはオランダ守備陣の集中マークに遭い、ドリブル突破を試みるも阻まれてしまう。ここまで何度もチームを救ってきたエースだったが、この試合では不発に終わった。
「ディ・マリアの不在は相当大きいなと感じましたね。メッシしかいなければ、オランダもそうでしたが、何人もの選手で囲んできます。ひょっとしたら決勝戦には間に合うかもしれないと言われていますが、ディ・マリアがいないとなれば、アルゼンチンはオランダ戦と同じで相当苦しめられるでしょう」