ドイツの高い集中力とその中心にいるGKノイアー

「ダビド・ルイスは1失点目で自分がマークを外したことが原因で失点してしまいました。チアゴ・シウバに代わってキャプテンマークを巻いていたので、気負いもあったのでしょう。1失点目の後、自分のポジションを無視して飛び出して、チーム全体のバランスを壊してしまいました。そうかと思えば、ゴール前で淡白なプレーをしたり、チグハグだなという印象を受けました」

　パニック状態になっていたブラジルに対して、ドイツは次々にゴールを叩き込んでいく。後半になると、ドイツはシュールレのゴールで2点を追加。7点目のスーパーゴールが決まったときは、スタンドのブラジル人サポーターからも拍手が起こり、ドイツのボール回しに「オーレ」の掛け声がかかった。宮本氏が注目したのは点差が開いてもサボらない、そのメンタルだ。

「ドイツの関係者に聞いたのですが、彼らは準々決勝でフランスに勝った後も、全く浮かれていなかったそうです。ブラジル戦に向けてすぐに気持ちを向けたことが、この結果にもつながったと思います。チームを引き締めているのがGKのノイアー。点差がつけば多少気持ちが緩んでくるのですが、ノイアーはそんな選手がいたら怒鳴りつけます。彼の存在はドイツにとって非常に大きい」

　すでに7点差で勝負がついていた後半アディショナルタイム、オスカルにゴールを決められたときも、ノイアーは怒っていた。ノイアーという精神的支柱がいる限り、ドイツが決勝進出に浮かれてパフォーマンスを落とすということはなさそうだ。