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日本サッカーは「時代の波に乗り遅れている」 米国初の“日系資本クラブ”が抱く危機感
「このような選択肢があると知ってほしい」
山内氏は手本とすべきアメリカの事例を、“逆輸入”していく考えも持っている。今すぐ日本人の意識を変えることは難しくても、20年先、30年先の未来に目標を定めれば、新しい価値観を根付かせることも不可能ではない。
「日本を悪く言うわけではありません。しかし私たちは今すぐ、Jリーグを見なくてもいいなと思っています。まずはアメリカサッカーの世界での経験を通して、世界のリーダーになりうる人材を育てるという実績を作る。そして日本から一歩外に出ればこのような選択肢もあるということも知ってほしいんです。日本国内でやろうと思ったら今ある規制や、しがらみと戦わなければいけない。ここで時間と労力を費やすよりも、すでに米国や世界各国に存在するシステムを上手く活用して、そこに価値を生み出せればと考えています。
そして、それを日本に持ち帰った時、彼ら彼女らが経験したこと、学んだことに耳を傾けたり、目を開いてくれる人が少しずつ出てきて、どんどんチャレンジする姿勢を評価してもらえるような世界ができ上がるという可能性を、信じてやっていくだけです」
ゼストは今年から、米国女子2部のWPSLにゼストウーマンズとして参入する。また、モンテネグロの3部リーグに所属するFKアドリアの共同オーナーにも就任するなど、国外で活動の幅を広げている。今はまだ何者でもないかもしれない。しかし、彼らが30年後の世界で、時代の先端を走るクラブになっていることを今から期待せずにはいられない。
※セレクションは2017年12月16日(土)、17日(日)に行われた。
[PROFILE]
山内周司
(Y.E.S ESL INTERNATIONAL,INC 代表取締役社長/YS PROPERTY INVESTMENTS,INC 代表取締役社長)
在米25年、米国を中心に不動産事業、教育事業を展開する実業家。格闘家人生から一転、2006年不動産投資会社設立を経て、2008年よりカリフォルニア州マーセッドカレッジ語学学校の経営に乗り出し、2016年米国にて史上初となる日系資本による男女サッカークラブ「サンディエゴ・ゼストFC」および「ゼストウーマンズ」を設立しサッカー界へ参入する。日米、両国において米国大学男女サッカー部へのセレクションや米国プロサッカークラブへのセレクションを開催し、同時に各スポーツ競技に特化した留学など様々な形で日本とアメリカの架け橋になる活動を行う。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文・写真 text & photo by Football ZONE web