中国の“爆買い”終焉? ナインゴランの68億円移籍に「白紙撤回」の可能性が浮上

今後の中国移籍の行方を占う事例に…

 しかし、ローマ側からすると分割払いで受け取ることはデメリットになる。この冬、あるいは夏の移籍市場でナインゴランの代役を確保しようにも、まとまった金額が入っていない状態での苦しい交渉を強いられることになるからだ。そのため、ナインゴランの中国行きは予断を許さない状況だという。

 こうした規制の背景には、イタリアの名門ACミランやインテルを中国人投資家が買収したり、先日に上海申花との契約を解除した元アルゼンチン代表FWカルロス・テベスに対して、2年総額で100億円近い年俸額を提示するなど、あまりにも派手な動きが繰り返され、非合理的な投資が中国経済の振興につながらず、単なる資金流出に終わっていると政府に判断された事情があるようだ。

 1年以上前であれば、ナインゴラン獲得へ提示された5000万ユーロは全く障害にならなかった。しかし、政府を上げての規制は近年のサッカー界で風物詩になっていた移籍期間における“中国マネー”の暴風をストップする力になっていることは間違いないようだ。

 果たして今後、トッププレーヤーの中国行きの流れはどうなるのか。ローマと広州恒大の間でナインゴランを巡る交渉がどのように決着するのかは、中国クラブと欧州クラブの間での高額移籍の方向性を指し示す、象徴的な事例になるのかもしれない。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング