宮本恒靖×戸田和幸 W杯出場選手が語る「W杯のミカタ」
——ブラジルW杯の開幕が近づいてきました。それぞれの注目ポイントを教えて下さい。
宮本 僕にとっては現役を引退してから初めてのW杯です。今までは選手目線で見ていましたが、指導者の勉強もしている中で、どんなものが見えてくるのか純粋に楽しみです。サッカーのトレンドがどう変わっていくのかというところもですし、南米でやる大会なので南米勢の戦いぶりにも注目しています。
戸田 僕はブラジルの環境にどれだけ適応できるかがポイントだと思っています。パス回しが得意なチームは、芝生がドライで走りづらいときにどうするのか。湿気が高くて体力の消耗が激しい中で、どんなサッカーをするのか。僕自身は自国開催のW杯(2002年日韓W杯)しか経験していないので、そういったところに興味があります。
——ズバリ、優勝国は?
宮本 ブラジルじゃないでしょうか。昨年のコンフェデレーションズカップのときの彼らの一体感は素晴らしいものがありましたし、W杯本番では国全体がもっと盛り上がるでしょう。そういった盛り上がりを自分たちのパワーにつなげられれば、ブラジルは優勝できるんじゃないかと思います。
戸田 僕もブラジルが“来る”んじゃないかと思っています。ルイス・フェリペ・スコラーリ監督はチームを“ファミリー”にするのがうまいという印象があります。ブラジルがダメなときは選手が好き勝手にやって、規律もなくなってしまうということが多い。その点でスコラーリ監督は規律を求めながら、競争意識も持たせています。先ほど話した環境面でも開催地のブラジルは有利になると思います。
——個人的な注目選手を教えて下さい。
戸田 ベルギーのエデン・アザールです。大舞台で目立った活躍をしていない分、世界的にはあまり知られていませんが、ポテンシャルは世界でもトップレベルでしょう。例えるなら、スペインのアンドレス・イニエスタをパワーアップさせたイメージです。ベルギー自体、トップレベルのチームで活躍している選手が多いので楽しみな存在です。
宮本 ユベントスのポール・ポグバ(フランス)です。彼は“ありえへん”というプレーをする選手。大会前はリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドといったスターが注目されますが、W杯は順当に活躍するほうが珍しい。これまでのW杯を振り返っても、意外な選手の方が活躍したりすることが多い。あっと驚く選手の活躍を見たいですね。