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【独占告白#4】宇佐美貴史が語るライバル 「頬を叩き『目を覚ませ!』と叱咤してくれる」
「これまでとは違う宇佐美貴史に会える」
とはいえ、そうして日々自分と向き合い続けているおかげで、周りの選手のことも全く気にならないし、誰が代表に選ばれたとか、活躍したということに気持ちが揺れることもない。淡々と事実だけを受け止めて、通り過ぎていく感じ。
だからこそ、今はなおさら現状を、自分で乗り越えなければいけないと思っている。もちろん、19歳でバイエルンに来た時より、年を重ねて考え方も大人になり、いろんなことを無邪気に考えられなくなっているし、根拠のない自信も抱けなくなっているのは自覚している。
そういう根拠のない自信の下、勘違いをしたまま進んでいけたのが若さの良いところで、それができなくなったから苦しんでいる気もするしね。
でもそうやって現実を見るようになった今でもまだ、もう一人の自分が「自分から目を背けるな」「サッカーから離れるな」と言っているし、僕の頬を叩き「おいおい、目を覚ませ!」と日々、叱咤もしてくれているから(笑)。
そうした僕の中にいるライバルに打ち勝って、本当に目を覚ます日が来るのか。それができれば、きっとこれまでとは違う宇佐美貴史に会えるんじゃないかな。(第5回に続く)
【了】
高村美砂●文・写真 text & photo by Misa Takamura
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