数字上では物足りない? キプロス戦のデータから浮き彫りになった日本代表の現在地
本田への依存度は低下傾向
だが、試合を客観的な数値で検証すれば、ある程度、チームが本大会で目指す方向性や戦術が浮かび上がるはず。そこでサッカーマガジンZONE編集部では、「クライム・ファクトリー社」が提供してくれたキプロス戦のデータをもとに日本代表チームの検証を試みた。
まず、先発メンバーはGK川島、最終ラインは左から長友、今野、森重、内田、ボランチは遠藤と山口、左サイドハーフ香川、トップ下本田、右サイドハーフ岡崎、ワントップは柿谷という布陣だった。
この試合が今年2月9日以来、3か月半ぶりの実戦復帰となった内田の起用には驚きの声もあったが、これが指揮官の現時点でのベストメンバーなのだろう。
キックオフから10分間は、日本のポゼッション率は50%台前半だったが、20分過ぎから徐々にボールを支配し、最終的には65%にまで上昇。逆に、キプロスは35%にまで落ち込み、日本が非常に高いポゼッション率を誇った。
また、キプロスのコーナーキック1本に対して日本は11本、シュート数もキプロス3本に対して日本は18本と数字の面では圧倒したと言っていい。これらの圧倒的優位なデータの中身から分析していきたい。
まずは本田への依存度はどのようなものだったのかを見てみよう。本田は90分間フル出場ということもあり、パスの総数はチームで最も多い76本(成功率83%)だった。しかし、日本全体のパスの中で本田を経由したものは全体の15%に過ぎなかった。前回の南アフリカ大会を戦った代表での本田の依存度は3割を超えていたが、その当時と比較しても、「本田頼り」の側面は大幅に薄れていた。