数字上では物足りない? キプロス戦のデータから浮き彫りになった日本代表の現在地
振り返れば、4年前の2010年の南アフリカW杯直前の壮行試合は韓国代表が相手だった。このときの日本のFIFAランクは45位、一方の韓国は47位。この宿敵相手に、日本は0-2で敗戦を喫し、ブーイングと共に埼玉スタジアムを後にした。
日本はその後のキャンプでもイングランドに1-2、コートジボワールに0-2と敗北を喫し、直前のテストマッチを3戦全敗という最悪な形で終えてしまった。反面、その苦い体験が、岡田武史監督に本大会での戦術の修正、本田の1トップ起用などのメンバーの入れ替えを決断させ、ベスト16という結果につながった。
そして今回、日本は壮行試合でキプロスと戦った。相手はFIFAランク130位。一方、日本代表は47位。つまり格下を対戦相手に選んだことになる。ブラジルW杯に挑むザッケローニ監督は、イタリアでトップクラブを率いたその豊富な経験から、「力試し」することを避け、「自信をつけさせること」、「戦術の確認を行うこと」、「体力的に厳しい状態でも的確な判断で試合を進めること」に主眼を置いたテストマッチを組んだわけだ。
結果は、最少得失点差の1-0。だが、格下相手とはいえ、スコアや見た目の印象だけで日本の現在地を語るのは得策とは言えない。日本は5月21日から25日まで鹿児島県指宿市でハードな合宿を行っており、今回はそのキャンプを打ち上げて中1日での試合だったからだ。コンディション面が十分に整っていないことをあらかじめ把握していた指揮官も、事前に「体の切れは強要できない」と話していた。