内田篤人がブラジル本大会に向けて大きな一歩 「実はゴールを狙っていた」
序盤はコンディションが重そうな場面もあったが、鋭い読みで相手のドリブルを止めるなど徐々に動きがよくなってきた前半43分、右サイドからゴール前に走り込むと、混戦でこぼれてきたボールを冷静に右足で押し込んだ。
「実はゴールを狙っていた」という内田はゴールの直後、真っ先にベンチへ。リハビリをサポートしてくれた代表スタッフの早川直樹氏らと抱き合って喜びを分かち合った。試合直後のインタビューで漏らした「怪我して間に合うか微妙だったけど、拾ってもらった」という言葉からは、W杯メンバー入りに危機感を覚えていた様子がうかがえる。そんな内田は「スポーツ選手はそういう人の助けがある。スポットライトをあててほしい」と周囲への感謝の気持ちを忘れなかった。
日本代表はW杯イヤーに長谷部誠ら負傷者が続出し、本大会に暗雲が立ち込めていたが、壮行試合では多くのサポーターの前でそれぞれが雄姿を見せることができた。特に前半の45分間の出場で1-0勝利に貢献した内田には大きな一歩となったはずだ。「怪我するのはしょうがない。びびっていてもしょうがない。思い切ってプレーすることが大事」。その視線の先には少しずつ本番のピッチが見えてきたに違いない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
page 1/1