前橋育英DFとは大学でもライバル関係に

　その相手DF角田と菊地は、中学時代は浦和レッズの下部組織で同僚だった。その二人の競り合いは前半11分、左サイドに流れた菊地に付いてきた角田を誘い込み、スライディングに来たスキを前に運んで突破した。「ああいうクセは分かっていたので」という元チームメートならではの駆け引きで抜け出した菊地はラストパスを送ったが、ゴール前に走り込んできたMF宮本優太はボールにギリギリで届かなかった。菊地は「もう少し待てれば」と悔やんだ。

　浦和ユースへの昇格がならず、高校サッカー界の名門に進んだ菊地は３年間で初めての高校選手権だった。大会が終わってみて「最後に勝たせられずに申し訳ないという思いが強いです。勝っていたらもっと違うことも言えるのかもしれないですけど、負けたらやっぱりそうなってしまう」と、勝負にこだわった姿勢を垣間見せた。

　卒業後に流通経済大に進む菊地と、筑波大に進学する角田は大学サッカー界でもライバル関係になる。そして、浦和の下部組織時代に同僚でユースに進んだDF橋岡大樹は、来季からのトップ昇格が決まっている。元チームメート同士で、目指すのはプロで再会すること。菊地は大学での成長を誓っている。

「小さくても、使う理由がある選手になっていかないといけないと思っています。でかい選手ではなく、こいつを使わなきゃいけないんだっていう選手になりたいと思います」