前橋育英、終了間際に劇的決勝弾! 無失点の流通経済大柏を1-0撃破…高校選手権悲願の初優勝
終了アディショナルタイムにFW榎本樹が決勝弾で勝負あり
試合終了間際の劇的決勝ゴールが悲願の初優勝を導いた。第96回全国高校サッカー選手権の決勝は、8日に埼玉スタジアムで行われ、2度の準優勝の経験を持つ前橋育英(群馬)が後半アディショナルタイムにFW榎本樹が決めたゴールで、流通経済大柏(千葉)に1-0の勝利を収めた。
流通経済大柏は、ここまで7得点を挙げている相手エースFW飯島陸に対し、DF三本木達哉をスタメン起用して完全マンツーマンで抑える策に出た。双方とも決勝の堅さもあってワンタッチコントロールのミスやパスがつながらない場面も目立ち、なかなかゴール前に入り込めない時間が続いた。
流通経済大柏は前半11分に左サイドでボールをキープしたMF菊地泰智のクロスに、ファーサイドに走り込んだMF宮本優太がわずかに届かなかったシーン。前橋育英は同27分にコーナーキックのこぼれ球を飯島が左足で思い切りよく狙い、前半終了間際には最終ラインの背後にこぼれたボールに抜け出した飯島が右足シュートを狙ったが、ゴールポスト直撃で先制のチャンスを逸した。
後半に入ると次第に前橋育英が攻めて、流通経済大柏が守る構図になった。後半19分にはMF五十嵐理人がクロスバー直撃のシュートを放ち、同35分にはコーナーキックから3回に渡って決定的なシュートを放った前橋育英だったが、ゴールを奪うには至らなかった。
延長戦突入が濃厚になり始めた後半の終了間際、前橋育英は右サイドから飯島が左足シュートを放つと、相手に当たってこぼれたところを榎本が右足で狙った。ボールは流通経済大柏の選手たちの間をすり抜けるようにゴールに吸い込まれ、これが決勝ゴールになった。
直近4大会で3回目の決勝となった前橋育英は、まさに“三度目の正直”での初優勝。夏の高校総体と合わせた二冠と選手権10年ぶりの優勝を目指した流通経済大柏は、惜しくも夢に届かなかった。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web